『多様な学び』

ホームスクールとは

義務教育課程から興味のある分野まで、様々な教育を積極的に家庭で行う事をホームスクール/ホームスクーリング/ホームエデュケーション、またそういった教育を実践する人をホームスクーラーと言います。
私たちは長年のホームスクーラーとして、仲間のホームスクーラーや新たにホームスクーリングを始めようとする方々を応援&サポートします。

『ホームスクールって何?』の疑問にざっくり答えた、こちらのYouTube動画も是非ご覧ください。

『ウチはホームスクールしてます!』

My Essay  

ホームスクールにおける私個人の見解

By T. Yamasaki

ホームスクールという選択肢


憲法にある義務教育の義務という定義は、
親が子供に教育を受けさせる義務であり、
必ずしも学校へ登校させる義務ではない
』※1
という事実を先ず述べた上で、
我が家は、在米時からホームスクールという選択をしている事についてお話ししたいと思います。
※1:憲法26条第一項、第二項の解釈による。

また遡ること1979年に日本も批准した「国際人権規約」における、

第26条の3

『親は、子どもの教育の種類を選択する優先的権利を有する。』

この権利は重要視すべきです。

個々の価値観において、

☑︎公立の学校へ通う

☑︎私立の学校に通う

☑︎インターナショナルスクールに通う

☑︎海外へ留学する

☑︎フリースクールへ通う
☑︎アンスクールで学ぶ(学び=学校という概念を持たない学び方)
☑︎ホームスクールを選ぶ

これらの選択肢などから各家庭で決めた教育の場を選ぶことは法的に見ても可能だと言えます。


そもそもホームスクールというのは、シンプルに言うと『義務教育の全般を学校ではなく家庭で行う事』です。
日本ではまだあまり馴染みのない選択肢で、間違えられやすいのがホームスクールは《不登校》ではなく、謂わば《自主的な非登校》になります。


夫は、学生時代に教わった教授のご家庭がホームスクーリングをされていたという話を聞いて以来、ずっと興味を持っていたそうです。
日本で長男が生まれて間もない頃「この子はいずれホームスクールも良いかな。」と夫が呟くのを聞きましたが、始まったばかりの子育てに追われる日々に“まさか私たちにそんな事が出来る訳がない”と思っていました。
長男が2歳になる間際に夫の母の看病の為に渡米し、後に長男も地元の小学校へしばらく通っていたのですが、年々学区の治安が悪化。我が家がホームスクーリングに切り替えたのは長男が小学4年生になった年で、通う学区の治安の悪化が直接のきっかけにはなりました。
今日は学校の近くで銃撃事件があり、学校は一時ロックダウン(学校中の鍵を締め切り子供達を教室の隅に避難させる事)になりました
こういうお知らせが何と3年生の時に3度もあったのです!
(これはワシントン州の違法移民増加の問題も絡んでいるのですが、ここでは割愛します)
こんなに危険と隣り合わせの学校へ、大事な子供を恐る恐る毎日送り出していて良いのか?
長男を見送りながら毎朝悩みました。
そんな中、巡り巡ってホームスクールの選択が顔を覗かせたという訳です。


そして日本へ拠点を移してからも、軌道に乗ったホームスクーリングをそのまま続けるというスタンスを変えずに今に至ります。
継続しているのはホームスクールが私たちの価値観や生活パターンに見合う選択だと思うからで、移住だの転校だの編入だの教育におけるゴタゴタもなく日本にUターン出来たのも、場所を選ばないホームスクーリングの利点だったのです。

始めるきっかけ、その方法、カリキュラム、スケジュールは、ホームスクールを行う家庭の数だけあると思います。
各家庭の価値観や道徳における軸も盛り込んだDIYでのユニークな構成ですから、私たちにとっても他のホームスクールのご家庭の内容はとても勉強になります。
テキストやワークブックなどを使って親が全ての教科を教える家庭、オンラインのプログラムとテキストどちらも使って学ぶハイブリッド式(うちはこれです)、ホームスクールをされていてもフリースクールやオルタナティブ・スクールなどの機関に通う方もおられます。
アンスクール:un(非・否)school(学校)という、学び=学校の概念を全く持たないフリースタイル学習の家庭もある様です。
どのスタイルでも親が責任を持って子供達の教育を担うという点では同じだと思います。

《教員免許》を持っていない親が子供に教えられるの?という質問が日本ではよくある様ですが、答えは勿論「はい」です。
オンラインの授業や学習プログラム、自学に最適な質の良いテキストや問題集なども沢山あります。賛否両論はあるでしょうけれど、実は義務教育の内容自体を親が教えるのに不自由する事はないと私たちは感じています。
例えば《調理師免許》がないと料理はできないのか?ーー出来ますね。
子供が美味しく食べられて丈夫な体を作るものを親が選んで料理して子供に提供する。子供が苦手な食材でも形を変えるとスッと受け入れられる場合もあります。ホームスクーリングもそれにとても似ています。

よく《専門家》と呼ばれる人たちが子育てや教育のアドバイスをしていますが、そういう人たちが一般論や統計的なデータからのアドバイスは言えたとしても、結局我が子の《専門家》は親自身ではないのでしょうか。
我が子にとっての専門家: 1番の理解者・協力者・応援団=親自身という位置付けは、時代が変わっても変わるべきではないと私自身は思っています。

ブログも書いています。
これからも日本でのホームスクール事情やホームスクーラーの日常などアップしていこうと思っています。


これからの時代のホームスクール

ホームスクーラーマップ

海外でも日本でも、コロナ禍をきっかけとして学校からホームスクールに移行する家庭も増えてきている様です。
私たちが全国のホームスクーラーさんと繋がるきっかけとなったのが、小田恵さんによる以下のホームスクーラー・マップです。登録されているホームスクーラーさんは意外に多くて嬉しい驚きでした。
お陰様で、全国にホームスクーラーのお友達が出来ました。
https://www.google.com/maps/d/viewer?mid=1ZHzTXcXchUKOlGvRKp2XNtOguY-CtnM9&ll=35.07151974433041%2C134.6260144950133&z=7


NPO法人 日本ホームスクール支援協会
LINEオープンチャット

200名を超える登録会員数のある団体です。
ホームスクールに関する多くの情報を、各家庭の事情に寄り添いながら提供されています。
LINEを使用するオープンチャットルームでは全国の多くのホームスクーラーさん達がアクティブに情報交換や意見&激励を交わしています。zoomを利用した保護者の会なども定期的に開催されています。
https://homeschool.ne.jp/



日本も、学校以外での教育の場=多様な学びを考えるという選択も認識されつつある様になりました。リモートワーク同様、オンラインでの教育も可能だという見方も広がってきています。

上記の支援団体さん方には及びませんが、シエラ・キャビン・ラーニングでは、ホームスクールに関する情報提供などのお手伝いもできれば幸いです。
ホームスクールに関するお問合せもお寄せ頂ければ、可能な範囲で個人的にサポートさせて頂きます。
但しあくまでホームスクールにおける責任や方針、判断基準は各家庭にあるというのが私たちの考えです。
それが『自己開拓&自己責任でのホームスクール』の基本だからです。
アドバイザーではなく同じ立場でお子様の教育に責任を持って向き合う方へのサポートをさせて頂くことを目指しています。

ホームスクーラー同士が地域で共に学ぶ機会を作る『自由な学び・色んな学び 寺子屋 Terakoya プロジェクト in やまぐち』(メニューにございます)も是非ご参照ください。